診療科案内緩和治療科(緩和ケア)
診療案内
さまざまな病気のなかでも、がんは痛みなどの体の苦痛を伴いやすく、それにより気持ちもつらくなり、日常生活の妨げとなることが多い疾患です。緩和ケア病棟では、がんの治癒を目指す治療(抗がん剤、手術など)は行いませんが、がんに伴う様々な苦痛を和らげる専門的な治療を積極的に行い、患者さんやご家族と話し合いながら、できる限り穏やかに生活できるよう支援いたします。
また、一般病棟と異なり、ご家族が24時間面会や付き添いができたり、眺めの良いお庭やボランティアのティーサービスなどがあり、一般病棟よりもリラックスして過ごすことができます。(2020年10月現在、新型コロナ対応の為に、一部制限があります。)
緩和ケア病棟の入院対象となる方
国の取り決めにより、健康保険で緩和ケア病棟に入院できるのは、がん患者さんと後天性免疫不全症候群(AIDS)の患者さんに限られています。当院では、AIDSの診療は行っていないため、緩和ケア病棟の入院対象となるのは、がん患者さんの中で苦痛症状のある方です。がんによる苦痛症状があまりなく、介護が主となる場合は、病院ではなく介護施設等への入所をお勧めしています。
また、緩和ケア病棟の主旨は‘残された時間をできるだけ苦痛なく穏やかに過ごす’ことのため、抗がん治療を行わないだけでなく、延命のための心臓マッサージや人工呼吸は行いません。また延命のための栄養や水分の点滴も、苦痛を増す結果となる場合は、徐々に減量・中止することが望ましいとされています。このような事を御理解・御納得頂けない場合は、入院をお断りすることがあります。
当該科の特徴
当科では、身体的な苦痛だけでなく精神的・悲嘆などの実存的な苦痛の専門家でもある精神腫瘍医が在籍しております。また複数の緩和ケア認定看護師も在籍しているほか、薬剤師・ソーシャルワーカー・理学療法士・栄養士・アロマセラピスト・ボランティアなど、多職種が協力連携することで、患者さんやご家族ができるだけ穏やかに生活ができるよう支援しています。
また、国の方針に添って、苦痛が和らぎ症状が改善した患者さんには、積極的に退院支援を行っています。
外来担当表
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お知らせ
- 都合により休診となる場合があります。詳しくは受付でご確認ください。
病名告知・症状説明について
緩和ケアを行う上で、患者さんが御自分の今の状態を理解し、これからどう過ごしていきたいかを家族・医療スタッフと共に話し合うことは、とても大切なことです。そのため、緩和ケア病棟への入院にあたっては、原則として、患者さんご本人が病名・病状の告知を受けていることが必要です。認知力や記銘力(記憶力)の低下などがある場合は、病名・病状を十分理解できていなくても、患者さんが緩和ケアの趣旨を理解していれば入院できます。入院後は自分の症状を理解し、かつ、希望をもって過ごせるよう配慮しながら、お話をしていきます。
緩和ケア病棟の設備等
個室(全室個室)、庭園(ベッドに寝たまま外に出られます。)、キッチン、ランドリー、多目的ホール、家族控室、特殊入浴室、浴室、サーカディアン照明、面談室、食堂・デイルームなど
緩和ケア病室について(16室)
有料個室 8室
電動ベッド、床頭台式テレビ(貴重品ボックス付)、冷蔵庫、椅子、洗面台、トイレ・シャワーユニット、絵画、電話
個室の種類 | 部屋数 | 料金 |
---|---|---|
個室A | 2室 | 1日につき 11,000円 |
個室B | 1室 | 1日につき 7,700円 |
個室D | 5室 | 1日につき 7,700円 |
一般個室 8室
電動ベッド、床頭台式テレビ(貴重品ボックス付)、冷蔵庫、椅子、洗面台、トイレ、絵画
緩和ケア病棟の紹介動画となっております。ぜひご覧ください。
面会について
緩和ケア病棟の面会は、原則としてご家族に限ります。ただし、患者さんご本人が希望する場合は、他の方でも面会可能です。
面会時間
ご家族は24時間面会が可能です。他の方は一般の面会時間と同じ午後1:00から午後8:00までとなっています。ただし、ご本人・ご家族の許可があれば、ご友人の方も24時間面会が可能です。
(*現在は新型コロナウイルス感染症対策のため、面会制限をさせていただいております)
スタッフ
医師、看護師、ソーシャルワーカー、薬剤師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、栄養士、アロマセラピスト、その他の医療スタッフとボランティアが、いろいろな面で患者さんの苦痛を和らげ、ご家族の方々も支えるよう努力いたします。
入院のご相談と手続き
緩和ケア病棟へ入院していただくためには、患者さんご本人とご家族に「緩和ケア」について、十分に理解していただくことが必要です。そのためにあらかじめ、患者さんご本人、あるいはご家族と詳しいお話をさせていただきます。 ご相談の日時をお電話にてご予約ください。
お問い合わせ
受付窓口 地域医療連携センター
電話:042-558-0321 内線:2124番
FAX:地域医療連携センターにお問い合わせください。
受付時間:午前9:00〜午後0:00、午後1:00〜午後4:00
本館1階の総合相談窓口でご相談の手続きをしてください。
ご相談には、保険証、診療情報提供書、検査データ、レントゲン写真等をご持参ください。
面談前に診療情報提供書と下記情報シートを当医療センターの地域医療連携室にFAXしてください。
詳しい入院手続きについては、下記PDFファイルをご覧ください。
診療体制
-
緩和治療科部長小林 薫
専門緩和ケア・精神腫瘍医
- 日本緩和医療学会 暫定指導医
- 日本サイコオンコロジー学会 登録精神腫瘍医
- 日本精神神経学会 精神科指導医
- 日本総合病院精神医学会 一般病院連携精神医学指導医
-
緩和治療科科長河野 裕太
専門リエゾン精神医学
- 日本精神神経学会 精神科指導医
- 日本精神科医学会 認知症臨床専門医
- 公認心理師
- 緩和ケア研修会修了
- 日本病院総合診療医学会 認定医
- 臨床研修指導医
- 日本総合病院精神医学会 一般病院連携精神医学指導医
- 精神腫瘍学の基本教育に関する指導者研修会修了
- 日本サイコオンコロジー学会認定登録精神腫瘍医
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非常勤雨宮 馨
専門小児神経内科
- 日本小児科学会小児科専門医
-
緩和ケア認定看護師 病棟師長堀江 亜紀子
- (2009年認定)
-
緩和ケア認定看護師 主査芦名 みどり
- (2007年認定)
-
緩和ケア認定看護師木﨑 とみ衣
- (2019年認定)
診療実績
最近の入院診療の実績
項目 | 平成29年度 | 平成30年度 | 令和元年度 |
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新入院患者数 | 158 | 152 | 173 |
1日平均患者数 | 12.6 | 9.8 | 11.6 |
平均在院日数 | 31.8 | 26.8 | 26.7 |
令和元年度 入棟希望面談264例の患者居住地と依頼元医療機関
令和元年度 入院173例の患者居住地など
日本緩和医療学会認定研修施設について
当院は、特定非営利活動法人 日本緩和医療学会より、日本緩和医療学会認定研修施設の認定を取得しました(2019年10月1日付)。
病院機能評価認定について
当医療センターの緩和ケア病棟は、公益財団法人 日本医療機能評価機構の病院機能評価(3rdG:Ver.2.0)において、「一般病2(主たる機能)」のほか、「緩和ケア病院(副機能)においても、認定を取得しました(2021年2月)。