令和6年度 公立阿伎留医療センター 病院情報の公表

病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)

医療の質指標

  1. リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率
  2. 血液培養2セット実施率
  3. 広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率
  4. 転倒・転落発生率
  5. 転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率
  6. 手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率
  7. d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率
  8. 65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合
  9. 身体的拘束の実施率
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 44 24 52 69 138 347 477 1328 1324 346
当院は西多摩圏域の地域医療の中核を担う総合病院として、質の高い医療を幅広い年齢層の患者さんに提供しております。合計退院患者数においては4,149人(昨年度より329人増)となりました。70歳から患者数が急激に増加し、70歳以上の患者さんで全体の7割以上を占めています。COVID-19感染症の患者さんは95人(昨年度より21人減)となっています。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 44 17.57 16.40 15.91 86.23
130030xx99xBxx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2-Bあり 34 8.79 12.23 0.00 74.68
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 27 27.89 20.78 25.93 83.78
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 25 20.12 13.66 12.00 75.92
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 12 5.08 3.03 0.00 67.75
第1位と第3位ともに「肺炎」ですが、第1位は75歳以上の細菌性を起因とするものであり、第3位は誤嚥を起因とするものとなっています。いずれも高齢患者が主体となっており、入院が長期化する傾向にあります。また転院率も高くなっています。第2位は血液内科疾患である非ホジキンリンパ腫の化学療法施行症例です。令和7年4月より単独で血液内科を標榜しましたが、それ以前は内科として診療をしていました。第4位に急性腎盂腎炎、第5位に前庭神経障害(めまい)が入りました。当科ではこれ以外にCOVID-19感染症を39件受け持っていますが、DPCコードが附番されていないため、当指標上には反映されません。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 14 2.00 3.03 0.00 71.57
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 14 27.43 20.78 21.43 80.71
040110xxxx00xx 間質性肺炎 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 12 18.42 18.68 8.33 78.92
040120xx99000x 慢性閉塞性肺疾患 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 11 10.36 12.95 0.00 75.45
040190xx99xxxx 胸水、胸膜の疾患(その他) 手術なし 11 20.64 16.20 9.09 87.73
当科では肺疾患治療を専門に行っています。主要疾患は間質性肺炎や肺の悪性腫瘍、慢性閉塞性肺疾患等になります。第1位の肺の悪性腫瘍は生検を行う1泊2日の検査入院を示しています。第2位は高齢患者さんに多い誤嚥性肺炎、第3位は間質性肺炎です。第4位には慢性閉塞性肺疾患(COPD)と胸水貯留の2疾患が同数で入りました。当科ではこれ以外にCOVID-19感染症を15件受け持っていますが、DPCコードが附番されていないため、当指標上には反映されません。
リウマチ科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 15 21.13 20.78 13.33 86.53
070560xxxxx00x 重篤な臓器病変を伴う全身性自己免疫疾患 手術・処置等2なし 副傷病なし 13 27.85 14.93 0.00 73.38
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術なし 13 18.46 13.66 0.00 81.62
0400802499x0xx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術なし 手術・処置等2なし 12 15.17 16.40 0.00 85.00
030400xx99xxxx 前庭機能障害 手術なし 4.67
当科では、リウマチ系疾患を中心に医療展開をしています。第1位と第4位はともに「肺炎」ですが、第1位には高齢患者に多い誤嚥性肺炎が入り、第4位の75歳以上の細菌性を起因とするものとに区分されます。第2位にはリウマチ性疾患が多く包含される「全身性自己免疫疾患」が入りました。具体的な疾患名としては、全身性エリテマトーデス、成人スチル病、ANCA関連血管炎、顕微鏡的多発血管炎、ループス腎炎、多発性筋炎等の治療を腎生検等で診断を確定させ、各疾患の治療を行っています。第3位は急性腎盂腎炎(尿路感染症)です。当科ではこれ以外にCOVID-19感染症を22件受け持っていますが、DPCコードが附番されていないため、当指標上には反映されません。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 149 2.05 2.57 0.00 71.90
060340xx03x00x 胆管(肝内外)結石、胆管炎 限局性腹腔膿瘍手術等 手術・処置等2なし 副傷病なし 85 6.84 8.88 2.35 76.85
060035xx03xxxx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 42 5.93 6.39 2.38 72.86
060020xx04xxxx 胃の悪性腫瘍 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 35 7.09 7.45 0.00 77.34
060335xx99x0xx 胆嚢炎等 手術なし 手術・処置等2なし 23 12.57 11.29 0.00 78.52
大腸ポリープ(粘膜切除術)の症例数が最も多く、第1位となりました。患者さんの安全・安心を最優先に考え、また術後出血等の偶発合併症を防止する目的から、1泊2日クリニカルパスを適用し治療を行っています。第2位の胆管結石・胆管炎は内視鏡的手術(「内視鏡的胆道ステント留置術」「内視鏡的胆道結石除去術」「内視鏡的乳頭切開術」)を施行する症例です。第3位と第4位はいずれも内視鏡下粘膜下層剥離術(ESD)を施行し、腫瘍を切除する症例ですが、部位により区分され、第3位が結腸、第4位が胃となります。第5位の急性胆嚢炎は処置等をせずに補液・抗菌薬投与にて軽快を試みます。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050130xx9900x0 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 他の病院・診療所の病棟からの転院以外 45 20.29 17.33 6.67 85.73
050130xx9902xx 心不全 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-2あり 31 24.77 23.96 0.00 83.61
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 経皮的冠動脈形成術等 手術・処置等1-なし、1,2あり 手術・処置等2なし 30 3.90 4.18 3.33 72.43
050210xx97000x 徐脈性不整脈 手術あり 手術・処置等1-なし、1,3あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 30 8.87 9.59 0.00 80.73
050050xx9910xx 狭心症、慢性虚血性心疾患 手術なし 手術・処置等1-1あり 手術・処置等2なし 22 2.36 3.07 4.55 71.27
第1位と第2位は心不全ですが、第1位は心筋SPECT検査を施行しないものであり、第2位は施行するものです。心筋SPECT検査については、経皮的冠動脈ステント留置術(PCI)の適応を判断する検査法として近年重要視され、当院においても積極的に実施しています。第3位は虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症等)にて経皮的冠動脈ステント留置術(PCI)や経皮的冠動脈形成術(PTCA)等を施行する症例、第5位も同疾患にて心臓カテーテル検査(CAG)を施行する症例です。第4位は不整脈疾患(心房細動、洞不全症候群、高度房室ブロック等)にてペースメーカー移植術、又は交換術を施行する症例となります。
血液内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
130030xx99xBxx 非ホジキンリンパ腫 手術なし 手術・処置等2-Bあり 10 9.00 12.23 0.00 68.20
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 20.78 25.00
130030xx97xB0x 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等2-Bあり 副傷病なし 27.85 33.33
0400802497xxxx 肺炎等(市中肺炎かつ75歳以上) 手術あり 30.13 0.00
130060xx97x00x 骨髄異形成症候群 手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 15.01 0.00
令和7年4月より単独科を標榜した当科では、常勤専門医師2名により血液内科疾患であるリンパ腫治療を中心に医療展開をしています。第1位は非ホジキンリンパ腫の化学療法施行症例です。当指標の対象年月からみても2ヵ月間で10件もの症例を受け持ったことになり、地域需要も高く、今後更なる発展が期待されます。
外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxxx 鼠径ヘルニア(15歳以上) ヘルニア手術 鼠径ヘルニア等 82 5.20 4.54 0.00 73.63
060035xx99x5xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-5あり 36 4.14 4.42 0.00 74.33
060035xx0100xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 結腸切除術 全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 35 20.14 14.81 0.00 73.34
060335xx0200xx 胆嚢炎等 腹腔鏡下胆嚢摘出術等 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 26 9.92 7.05 0.00 62.15
060035xx99x6xx 結腸(虫垂を含む。)の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2-6あり 24 4.00 4.64 0.00 77.00
第1位の鼠径ヘルニアは手術を施行する症例です。第2位と第5位の結腸悪性腫瘍は化学療法症例で、使用する抗癌剤の種類によってDPC区分がそれぞれ異なっています。近年では患者さんのQOLを考慮し外来化学療法が増加してきており、入院化学療法は年々減少傾向にあります。第3位も結腸悪性腫瘍ですが、こちらは手術を施行する症例になります。第4位の急性胆のう炎は処置等をせずに補液・抗菌薬投与にて軽快を試みます。
乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))等 手術・処置等1なし 31 7.90 9.77 0.00 68.42
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 5.50
090010xx99x0xx 乳房の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等2なし 9.75
090020xx97xxxx 乳房の良性腫瘍 手術あり 3.94
010010xx9903xx 脳腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-3あり 17.40
外科から独立して「乳腺外科」を標榜しており、近年増加傾向である乳腺悪性腫瘍の早期発見・早期治療に取り組んでいます。腫瘍の大きさ、種類によって様々な治療方法があり、患者さん1人1人の希望を十分加味しながら治療が行われています。第1位は乳房部分切除術で、腋窩部郭清を伴うものになります。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx02x0xx 肺の悪性腫瘍 肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの等 手術・処置等2なし 20 10.40 9.82 0.00 71.50
040040xx9910xx 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 20 2.00 3.03 0.00 72.55
040040xx99040x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし 15 10.20 8.16 0.00 70.67
040040xx99090x 肺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2-9あり 副傷病なし 8.10 0.00
130030xx97x00x 非ホジキンリンパ腫 手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 7.82 0.00
当科では、肺の悪性腫瘍手術や化学療法を中心に幅広い医療展開をしています。第1位は胸腔鏡下悪性腫瘍手術等を施行する症例です。第2位は検査入院にて肺生検を施行するものであり、これにより悪性か否かが確定します。第3位は化学療法症例です。いずれも患者さんの身体的負担が少ないように考慮されたクリニカルパスを適用しています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx02xxxx 股関節・大腿近位の骨折 人工骨頭挿入術 肩、股等 101 30.37 25.29 6.93 81.74
07040xxx01xxxx 股関節骨頭壊死、股関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 25 26.44 18.76 0.00 74.20
070230xx01xxxx 膝関節症(変形性を含む。) 人工関節再置換術等 24 29.79 21.38 0.00 77.75
160760xx01xxxx 前腕の骨折 骨折観血的手術 前腕、下腿、手舟状骨等 22 4.36 5.95 0.00 73.68
160690xx99xxxx 胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む。) 手術なし 18 38.17 19.16 5.56 80.06
第1位は大腿骨近位骨折で、人工骨頭挿入術や骨折観血的手術を施行する症例であり、症状安定後転院する患者さんもいます。第2位は変形性股関節症、第3位は変形性膝関節症でいずれも人工関節置換術を施行する症例となります。第4位には若年層にも多い前腕骨折が入りました。第5位は胸腰椎圧迫骨折で、疼痛コントロールやリハビリを行います。第4位以外は急性期医療を終えて在宅復帰を目指しての「地域包括ケア病棟」利用が多く、これらの在院日数も包含された値となるため、全国平均在院日数を上回っています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120090xx97xxxx 生殖器脱出症 手術あり 38 6.74 7.74 0.00 76.13
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍 卵巣部分切除術(腟式を含む。) 腹腔鏡によるもの等 21 5.71 5.97 0.00 65.24
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍 腹腔鏡下腟式子宮全摘術等 19 5.58 5.88 0.00 49.32
120010xx01x0xx 卵巣・子宮附属器の悪性腫瘍 子宮附属器悪性腫瘍手術(両側)等 手術・処置等2なし
12002xxx01x0xx 子宮頸・体部の悪性腫瘍 子宮悪性腫瘍手術等 手術・処置等2なし
第1位は子宮脱による子宮脱手術、又は腹腔鏡下仙骨膣固定術症例です。第2位は卵巣のう腫の診断で卵巣部分切除を施行する症例、第3位は子宮筋腫で子宮全摘出術、又は子宮筋腫摘出術を施行する症例と続きました。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx1 白内障、水晶体の疾患 手術あり 両眼 227 3.00 4.29 0.00 76.59
020240xx97xxx0 硝子体疾患 手術あり 片眼 71 2.99 4.83 0.00 74.24
020110xx97xxx0 白内障、水晶体の疾患 手術あり 片眼 40 3.00 2.49 0.00 75.35
020200xx9710xx 黄斑、後極変性 手術あり 手術・処置等1あり 手術・処置等2なし 38 3.00 5.47 0.00 71.05
020180xx97x0x0 糖尿病性増殖性網膜症 手術あり 手術・処置等2なし 片眼 11 3.00 5.89 0.00 59.00
眼科においては白内障治療が中心となります。第1位の両眼白内障は2泊3日のクリニカルパスを適用し、入院2日目に両眼手術を施行します。これにより全国平均値よりも短く、また患者さんの経済的負担を最小限度に抑えた医療展開が可能となっています。片眼のみ施行の場合が第3位となります。第2位は硝子体混濁、第4位は網膜前膜、第5位は糖尿病性網膜症による硝子体茎顕微鏡下離断術等の手術を施行するものです。尚、令和7年4月より当科では諸事情により入院患者受け入れを停止しており、現在再開に向けて体制を整えております。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080010xxxx0xxx 膿皮症 手術・処置等1なし 12 12.25 12.98 8.33 67.25
080020xxxxxxxx 帯状疱疹 9.33
080110xxxxx0xx 水疱症 手術・処置等2なし 28.94
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術なし 手術・処置等2なし 20.78
070395xx970xxx 壊死性筋膜炎 手術あり 手術・処置等1なし 35.40
第1位の膿皮症とは、溶連菌やぶどう球菌による皮膚感染症である蜂巣炎(蜂窩織炎)を示しています。点滴や炎症部分の洗浄を行い、軽快退院を目指します。約1割の患者さんが転院されています。
脳神経外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060xx99x40x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等2-4あり 副傷病なし 50 23.10 16.89 6.00 78.22
010060xx99x41x 脳梗塞 手術なし 手術・処置等2-4あり 副傷病あり 19 30.00 29.66 15.79 83.95
160100xx99x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 手術なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 14 6.64 7.99 0.00 68.64
160100xx97x00x 頭蓋・頭蓋内損傷 その他の手術あり 手術・処置等2なし 副傷病なし 13 10.08 9.83 7.69 77.92
010040x099000x 非外傷性頭蓋内血腫(非外傷性硬膜下血腫以外)(JCS10未満) 手術なし 手術・処置等1なし 手術・処置等2なし 副傷病なし 10 43.80 18.68 10.00 75.30
第1位の脳梗塞はエダラボン使用・副傷病名(てんかん等)なしのもの、第2位は副傷病名(尿路感染症・誤嚥性肺炎等)ありの症例になります。第3位と第4位は頭蓋内損傷で、外傷性慢性硬膜下血腫や外傷性頭皮下血腫を発症し、血腫除去を目的とした穿孔洗浄術等を施行するものが第4位、保存的加療を試みるものが第3位です。第5位は非外傷性の頭蓋内血種で保存的加療を試みるものです。脳梗塞疾患では急性期治療を終え、当院の回復期リハビリ病棟へと転棟、又は他院へ転院するケースが見受けられます。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍 手術なし 手術・処置等1あり 76 3.20 2.45 0.00 75.28
110070xx03x0xx 膀胱腫瘍 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 手術・処置等2なし 54 7.15 6.81 3.70 76.65
11012xxx03xxxx 上部尿路疾患 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 38 2.05 2.40 0.00 61.76
11012xxx02xx0x 上部尿路疾患 経尿道的尿路結石除去術 副傷病なし 15 9.47 5.16 0.00 66.67
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術等 13 10.46 7.77 0.00 71.08
第1位は前立腺生検を施行し、悪性腫瘍か否かを確認する検査入院です。第2位は膀胱悪性腫瘍に対する経尿道的膀胱悪性腫瘍手術(TUR-BT)を施行する症例になります。第3位と第4位は腎尿路結石症で、第3位は体外衝撃波腎・尿管結石破壊術(ESWL)、第4位は経尿道的尿路結石除去術(TUL)を施行する症例です。第5位は前立腺肥大症により経尿道的前立腺手術(TURP)を施行する症例となります。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 38 32 1 8
大腸癌 20 25 78 88 46 1 8
乳癌 20 11 1 8
肺癌 26 29 28 21 34 1 8
肝癌 1 8
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
当院の患者数は、大腸癌が最も多くなっており、次いで肺癌、胃癌、乳癌の順番となっています。大腸癌については、Ⅰ期~Ⅳ期まで症例があり、内視鏡的治療、腹腔鏡的治療、手術、化学療法等、患者さんに合わせた治療法を選択し総合的に管理しています。また、大腸癌の患者数が多いのは、化学療法を入院で実施していることや大腸癌検診を積極的に実施していることも要因であると考えられます。肺癌については、検査入院、化学療法や全身管理の治療に加え、手術治療を行っています。胃癌については、内視鏡的治療、手術、全身管理、化学療法を中心に治療を行なっています。乳癌については、比較的早期発見され、手術療法や化学療法が多くなっています。病期別にみると、Ⅳ期が最も多くなっており、当院では緩和治療科が設置されていることも要因であると考えられます。病期不明になっている症例は、気管支鏡等の治療前の検査入院が多く、入院中に検査結果が出ていないため、病期分類ができないことが理由として挙げられます。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 10 8.00 51.10
中等症 47 14.02 80.89
重症 27 20.37 83.19
超重症 17 19.41 86.88
不明
患者数が最も多いのは中等症の患者さんです。平均年齢をみると、軽症以外はいずれも平均年齢が80歳以上と高齢化傾向にあります。平均在院日数は重症が最も長く、軽症や中等症はそれよりも早い日数での軽快退院、超重症はそれよりも早い段階での転院や死亡症例が多くなっています。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 83 31.61 79.59 14.00
その他 17 42.76 81.82 2.00
脳梗塞疾患は、発症して早期に入院される場合が殆どであり、発症日から3日以内入院が急性期脳梗塞の8割以上を占めています。平均在院日数は3日以内が30日前後ですが、4日以降に発症日した場合、40日を超えて長期化傾向となります。また3日以内発症の1割以上が施設等に転院されています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2センチメートル未満 171 0.08 1.01 0.00 71.99
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 83 1.36 6.70 2.41 77.86
K721-4 早期悪性腫瘍大腸粘膜下層剥離術 57 1.00 4.16 1.75 72.79
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術 早期悪性腫瘍胃粘膜下層剥離術 34 1.00 5.29 0.00 78.21
K722 小腸結腸内視鏡的止血術 29 0.59 4.90 0.00 76.31
大腸ポリープ切除術(EMR)が最も多く、長径2㎝未満と長径2㎝以上に区分されます。第1位は長径2㎝未満の手術です。当院では患者さんの安全・安心を最優先に考え、また偶発合併症を防止する目的から、1泊2日クリニカルパスを適用し手術を施行しています。第2位の内視鏡的胆道ステント留置術は、胆管癌、膵臓癌における新生物症例が多く、総胆管結石や膵炎においても施行する場合があります。第3位と第4位は内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)と呼ばれるもので、胃カメラや大腸カメラで消化管の内腔から粘膜層を含めた粘膜下層までを剥離し、病変を一括切除するという治療法です。部位により第3位は大腸、第4位は胃・十二指腸となります。第5位は内視鏡手術後の術後偶発合併症である「(小腸・結腸)術後切除部後出血」に対し、止血術を行うものとなります。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 26 0.96 2.15 0.00 72.08
K5972 ペースメーカー移植術 経静脈電極の場合 26 1.73 8.65 0.00 80.58
K5492 経皮的冠動脈ステント留置術 不安定狭心症に対するもの 11 0.00 8.73 0.00 69.91
K597-2 ペースメーカー交換術 10 0.00 7.30 0.00 82.60
K5463 経皮的冠動脈形成術 その他のもの
第1位と第3位は虚血性心疾患(心筋梗塞・狭心症等)に対する経皮的冠動脈ステント留置術(PCI)です。PCIはその発症状態から「急性心筋梗塞に対するもの」、「不安定狭心症に対するもの」、「その他のもの」と3つに区分され、第1位に「その他のもの」、第3位に不安定狭心症に対すもの」がランクインしています。第2位は心房細動・洞不全症候群・房室ブロック等に対するペースメーカー移植術となります。第4位はペースメーカー電池消耗等によるペースメーカー交換術が入りました。いずれもクリニカルパスを適用して、入院日数の適正化に努めています。
外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 ヘルニア手術 鼠径ヘルニア 63 0.97 3.10 0.00 72.44
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 30 2.87 14.90 0.00 74.87
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 27 2.19 6.67 0.00 61.74
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術(両側) 20 1.10 3.25 0.00 70.65
K6113 抗悪性腫瘍剤動脈、静脈又は腹腔内持続注入用植込型カテーテル設置 頭頸部その他に設置した場合 14 1.29 1.93 0.00 69.36
第1位と第4位は鼡径ヘルニア手術で、第1位が開腹、第4位が腹腔鏡下にて施行するものです。第2位に結腸悪性腫瘍に対する結腸切除術、第3位には胆嚢炎に対する胆嚢摘出術が入りましたが、いずれも開腹せずに腹腔鏡下にて施行するものです。第5位は化学療法抗癌剤を頻回に静脈へ注入する目的でのカテーテル留置術となっています。
乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4763 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの) 23 1.00 5.91 0.00 67.78
K4765 乳腺悪性腫瘍手術 乳房切除術(腋窩鎖骨下部郭清を伴うもの)・胸筋切除を併施しないもの
K4762 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)
K4742 乳腺腫瘍摘出術 長径5センチメートル以上
K4764 乳腺悪性腫瘍手術 乳房部分切除術(腋窩部郭清を伴うもの(内視鏡下によるものを含む。))
腫瘍の部位や大きさや種類、また患者さんの希望を加味した上で、手術を施行しています。年齢層が幅広いのも乳腺悪性腫瘍の特徴であり、早期発見・早期治療に取り組んでいます。第1位に入ったものは乳腺悪性腫瘍手術で腋窩部郭清を伴わないものです。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 肺葉切除又は1肺葉を超えるもの 16 2.00 6.81 0.00 70.06
K6261 リンパ節摘出術 長径3センチメートル未満
K5131 胸腔鏡下肺切除術 肺嚢胞手術(楔状部分切除によるもの)
K5132 胸腔鏡下肺切除術 部分切除
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術 部分切除
多くの症例で、患者さんの身体的負担軽減を目的としたクリニカルパスを適用し、常勤専門医による肺の悪性腫瘍手術が施行されています。いずれも低侵襲であり、術後の疼痛が少ないため早期復帰が期待でき、入院日数も短縮できる胸腔鏡下手術となります。第1位の胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術は、1肺葉では腫瘍が残存するときに、隣接する肺葉の部分切除を追加、又は2葉を切除(上中葉切除・中下葉切除)し、同時に肺門・縦隔リンパ節郭清も施行される術式です。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 77 3.23 27.40 6.49 79.42
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 50 1.70 25.40 0.00 75.04
K0462 人工骨頭挿入術 肩、股 39 2.08 8.54 0.00 72.00
K0811 骨折観血的手術 鎖骨、膝蓋骨、手(舟状骨を除く。)、足、指(手、足)その他 39 3.26 29.23 7.69 84.95
K0463 骨内異物(挿入物を含む。)除去術 前腕、下腿 16 2.31 16.63 0.00 65.25
第1位と第3位と第5位に骨折観血的手術(ギプス固定では治癒が難しい複雑な骨折や重度の骨折、関節周辺を骨折した場合に施す手術)が入りました。骨折部位により、第1位大腿骨(肩甲骨・上腕を含む)、第3位下腿骨(前腕・手舟状骨を含む)、第5位鎖骨(膝蓋骨・手・足・指等を含む)となります。大腿骨頚部骨折の場合、骨折部の血行不良、関節内での骨折など、骨癒合が得られにくい条件が重なっているため、骨折した骨頭を抜去して人工の骨頭に置換する手術を行います。これらの手術である人工関節置換術と人工関節挿入術が第2位と第3位にランクインしています。両者の違いは臼蓋(骨頭を支える部分)の置換を行うか否かであり、行う場合は人工関節置換術(第2位)、行わない場合は人工骨頭挿入術(第3位)となります。当院では在宅復帰を目的とした「地域包括ケア病棟」を開設しており、上記手術症例においてはその利用率が高く、術後日数が長期化傾向にあります。(※第3位同数のため両手術とも第3位扱い)
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8882 子宮附属器腫瘍摘出術(両側) 腹腔鏡によるもの 26 1.00 3.69 0.00 62.19
K865-2 腹腔鏡下仙骨腟固定術 25 1.00 5.44 0.00 73.96
K877-2 腹腔鏡下腟式子宮全摘術 23 1.00 4.26 0.00 53.91
K8654 子宮脱手術 腟壁形成手術及び子宮全摘術(腟式、腹式)
K9091イ 流産手術 妊娠11週までの場合 手動真空吸引法によるもの
第1位には卵巣のう腫や卵巣腫瘍における子宮附属器腫瘍摘出術が入りました。第2位は子宮脱における腹腔鏡下仙骨膣固定術です。第3位は子宮筋腫や子宮腺筋症等における腹腔鏡下子宮全摘術となりました。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 267 1.00 1.00 0.00 76.41
K2802 硝子体茎顕微鏡下離断術 その他のもの 74 1.00 0.99 0.00 74.28
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの 60 1.00 1.00 0.00 67.85
K281 増殖性硝子体網膜症手術
第1位の白内障手術が主な手術となります。片眼・両眼ともに3日間のクリニカルパスを適用しています。地域性を鑑みても需要の高い手術の1つであります。また、殆どの症例が2泊3日で両眼手術を行います。第2位は硝子体混濁等、第3位は網膜前膜等による硝子体顕微鏡下離断術が入りました。尚、令和7年4月より当科では諸事情により入院患者受け入れを停止しており、現在再開に向けて体制を整えております。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 21 0.81 9.67 14.29 78.86
K1771 脳動脈瘤頸部クリッピング 1箇所
K1643 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの) 脳内のもの
K145 穿頭脳室ドレナージ術
K1692 頭蓋内腫瘍摘出術 その他のもの
外傷等により一定の時間が経過後、硬膜とくも膜の間にできた血腫に対して穿頭して抽出し、更に洗浄しドレナージを行う慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術が主な手術となっています。平均年齢が75歳を超えており、高齢患者さんを中心に手術が展開されています。また当該手術を施行後、1割以上の患者さんが施設等に転院されます。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 49 1.53 4.69 4.08 76.67
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術(一連につき) 38 0.00 1.05 0.00 61.76
K8411 経尿道的前立腺手術 電解質溶液利用のもの 18 1.89 10.33 0.00 73.94
K783 経尿道的尿管狭窄拡張術 11 2.82 11.36 9.09% 74.64
K7812 経尿道的尿路結石除去術 その他のもの
第1位は膀胱悪性腫瘍における経尿道的膀胱悪性腫瘍手術ですが、還流液として電解質溶液を利用したものになります。第2位は腎尿管結石症に対する体外衝撃波腎・尿管結石破壊術、第3位は前立腺肥大症における経尿道的前立腺手術ですが、こちらも還流液として電解質溶液を利用したものです。第4位には水腎症等により狭くなった尿道を拡張させる経尿道的尿管狭窄拡張術が入りました。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる 21 0.57
180010 敗血症 同一
異なる 16 0.44
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 16 0.44
異なる
医療の質改善に資するため、臨床上ゼロになり得ないものの、少しでも改善すべきものとして上記4疾患を入院契機病名の同一性の有無を区分して症例数と発症率を示しています。播種性血管内凝固症候群とは、体の血管の中で血栓(血の塊)ができやすくなったり、容易に出血したりする疾患です。当疾患は入院中に発症する場合が殆どであり、入院契機病名と異なる症例が多く(21件)なっています。敗血症とは細菌等の病原微生物により、体がその微生物に対抗することで起こる様々な状態のことで、全身性炎症反応症候群とも呼ばれる疾患です。こちらも発症した状態で入院するよりも、入院中に発症する場合が多く、入院契機病名と異なる症例が多く(16件)なりました。手術・処置等の合併症としては、大腸ポリープ切除後出血やカテーテル関連尿路感染症等が多く、これらを起因として入院する症例が多いことから、殆どが入院契機病名と同一(16件)となりました。
リスクレベルが「中」以上の手術を施行した患者の肺血栓塞栓症の予防対策の実施率ファイルをダウンロード
肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが
「中」以上の手術を施行した
退院患者数(分母)
分母のうち、肺血栓塞栓症の
予防対策が実施された患者数(分子)
リスクレベルが「中」以上の手術を
施行した患者の肺血栓塞栓症の
予防対策の実施率
505 467 92.48
期間中に肺血栓塞栓症発症のリスクレベルが「中」以上の手術を施行した退院症例につき、肺血栓塞栓症の予防対策(弾性ストッキングの着用、間歇的空気圧迫装置の利用、抗凝固療法のいずれか、または2つ以上)が実施された症例の割合を集計しています。当院においては、505症例中467症例で実施されており、実施率は92.48%となっています。
血液培養2セット実施率ファイルをダウンロード
血液培養オーダー日数(分母) 血液培養オーダーが1日に
2件以上ある日数(分子)
血液培養2セット実施率
659 597 90.59
血液培養は 1 セットのみの場合の偽陽性による過剰治療を防ぐため、2 セット以上行うことが推奨されています。本指標は、血液培養を行う際に2 セット以上の検査が実施された割合を示しています。当院においては、659症例中、597症例で実施されており、実施率は90.59%となっています。
広域スペクトル抗菌薬使用時の細菌培養実施率ファイルをダウンロード
広域スペクトルの抗菌薬が
処方された退院患者数(分母)
分母のうち、入院日以降抗菌薬処方日
までの間に細菌培養同定検査が
実施された患者数(分子)
広域スペクトル抗菌薬使用時の
細菌培養実施率
320 222 69.38
不適切な抗菌薬の使用は、耐性菌の発生や蔓延の原因になることから、抗菌薬適正使用を推進する取り組みが求められます。抗菌薬適正使用の鍵を握るのは正確な微生物学的診断であり、抗菌薬投与前の適切な検体採取と培養検査が必要です。当院においては、320症例中222症例で実施されており、実施率は69.38%となっています。
転倒・転落発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生した転倒・転落件数
(分子)
転倒・転落発生率
50458 98 1.94
入院中の患者さんの転倒やベッドからの転落は少なくありません。原因としては、入院という環境の変化によるものや疾患そのもの、治療・手術などによる身体的なものなどさまざまなものがあります。転倒・転落の指標としては、転倒・転落によって患者に傷害が発生した率と、患者さんへの傷害に至らなかった転倒・転落事例の発生率との両者を指標とすることに意味があります。転倒・転落による傷害発生事例の件数は少なくても、それより多く発生している傷害に至らなかった事例もあわせて報告して発生件数を追跡するとともに、それらの事例を分析することで、より転倒・転落発生要因を特定しやすくなります。こうした事例分析から導かれた予防策を実施して転倒・転落発生リスクを低減していく取り組みが、転倒予防につながります。当院においては、退院患者の在院日数の総和日数50,458日に対して、退院患者に発生した転棟・転落件数が98件であり、発生率は1.94%となりました。引き続き転棟・転落防止対策を強化していきたいと思います。
転倒転落によるインシデント影響度分類レベル3b以上の発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
もしくは入院患者延べ数(分母)
退院患者に発生したインシデント
影響度分類レベル3b以上の
転倒・転落の発生件数(分子)
転倒転落によるインシデント影響度
分類レベル3b以上の発生率
50458 11 0.22
インシデント影響度レベルは0~5に分類されます。このうちレベル3b(濃厚な処置や治療を要した)、レベル4a(永続的な障害や後遺症は残ったが美容上の問題なし)、レベル4b(永続的な障害や後遺症が残り、且つ美容上の問題あり)、レベル5(死亡)の件数割合を指標にしています。当院においては、退院患者の在院日数の総和日数50,458日に対して、退院患者に発生したインシデント影響度分類レベル3b以上の転棟・転落の発生件数が11件であり、発生率は0.22%となりました。引き続き転棟・転落防止対策を強化していきたいと思います。
手術開始前1時間以内の予防的抗菌薬投与率ファイルをダウンロード
全身麻酔手術で、
予防的抗菌薬投与が実施された
手術件数(分母)
分母のうち、手術開始前
1時間以内に予防的抗菌薬が
投与開始された手術件数(分子)
手術開始前1時間以内の
予防的抗菌薬投与率
762 734 96.33
安全で質の高い医療の提供に関して、手術患者に対する抗菌薬の投与について手術 執刀開始前1時間以内の予防的抗菌薬の投与状況になります。 手術執刀開始前1時間以内に、適切な抗菌薬を投与することで、手術後の手術部位の 感染発生を予防し、入院期間の延伸や医療費の増大を抑えることができると考えられています。投与率が高い場合には、適切な投与による感染の発生防止に積極的に取り組むとともに、入院期間、医療費の観点から効率的な医療を提供していると評価できます。当院においては762症例中734症例で実施されており、実施率は96.33%となっています。
d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和もしくは
除外条件に該当する患者を除いた
入院患者延べ数(分母)
褥瘡(d2(真皮までの損傷)以上
の褥瘡)の発生患者数(分子)
d2(真皮までの損傷)以上の
褥瘡発生率
43774 22 0.05
当院で入院診療を受けられている患者さんに褥瘡(d2以上)が新規に発生した件数を示す指標です。褥瘡は、患者さんのQOL(生活の質)低下をきたし、結果的に在院日数の長期化や医療費の増大にもつながります。褥瘡予防対策は重要であり、診療報酬制度にも定められています。褥瘡の治療には、発生予防が最大目標であり、知識の蓄積、予防策計画・実施とその総合力が重要になります。当院においては、退院患者の在院日数の総和日数43,774日に対し、d2(真皮までの損傷)以上の褥瘡発生患者数が22件であり、発生率は0.05%となりました。
65歳以上の患者の入院早期の栄養アセスメント実施割合ファイルをダウンロード
65歳以上の退院患者数
(分母)
分母のうち、入院後48時間以内に
栄養アセスメントが実施された
患者数(分子)
65歳以上の患者の入院早期の
栄養アセスメント実施割合
3146 2684 85.31
早期に低栄養リスクを評価し適切な介⼊をすることで、在院 ⽇数の短縮、予後改善に繋がります。この指標は医療機関の栄養管理体制を表す指標とされています。当院においては、65歳以上の退院患者数3146件に対し、入院後48時間以内に栄養アセスメントが実施された患者数は2,684件であり、実施割合は85.31%となりました。
身体的拘束の実施率ファイルをダウンロード
退院患者の在院日数の総和
(分母)
分母のうち、身体的拘束日数の総和
(分子)
身体的拘束の実施率
50458 176 0.35
身体拘束の実施率は、入院患者のうち身体拘束を実施した患者の割合を指します。 身体拘束とは、患者の身体または衣服に触れる用具を使用して、一時的に患者の身体を拘束し、その運動を抑制する行動制限を指します。具体的には、徘徊防止のために車椅子やベッドに体幹や四肢を紐で縛る、転落防止のためにベッドを柵で囲む、点滴チューブを抜かないようにミトン型の手袋を装着するなどが含まれます。当院においては、退院患者の在院日数の総和日数50,458日に対し、身体拘束の総和日数が22日であり、実施率は0.35%となりました。
更新履歴
2025.9.25
令和6年度版病院情報(WEB版)を公開しました。